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科学読み物   

DOJIN選書 23 

環境問題をシステム的に考える

氾濫する情報に踊らされないために

著者:
井村 秀文 著 
  • 内容紹介
  • 目次
  • 追加情報

地球環境はいま,温暖化,生物多様性,化石燃料・鉱物資源の枯渇,環境汚染などの解決すべき問題が山積している.しかもこの問題群は複雑に絡みあい,また解決への道は平坦ではない.ではこれらの問題をどう理解し,いかに克服していけばよいのか.本書では,ミクロには見えにくかった各要素の関係をマクロにとらえ,複雑な問題を解きほぐすための新たな視点を提供する.環境問題の真の理解へ向けて.

まえがき―氾濫する情報に踊らされないために

序章 自然と人間が織り成す相互関係の把握と理解
判然としないものをどう見るか/複雑な問題をどう見るか―環境システムの理解/見えないものを見えるようにする―環境システム分析の役割/自然と人間社会の相互関係の理解/合理的な意思決定に役立てる―IPCCの活動から/ソフトな人間中心主義―開発と保全の政策決定/マクロとミクロ―大局的視点と細部の分析

第1章 宇宙船地球号の制御 
1 地球と人間 宇宙船地球号/小さくなる地球/自然と人間の相互関係/地球の有限性を認識し、理解する/成長の限界を認識する/予測の困難 2 地球の許容限界―環境容量を考える 環境のもつ受容能力、扶養能力/環境容量をどう評価するか/技術による環境容量の拡大/時間、空間の境界条件/地球温暖化/環境容量を超えた汚染/環境の自浄能力にも限界がある/化学物質汚染という時限爆弾   ・本章のまとめ・ 宇宙船地球号を制御するためのカギ

第2章 地球の気候システムを理解する 
1 水の惑星、地球 地球の大気/水の循環 2 地球の気候 間氷期に起きている地球温暖化/理解の鍵となる時間スケール/縄文海進の時代/中世温暖期、近世の寒冷化 3 地球温暖化は進行している IPCC第四次評価報告書/地球温暖化進行のスピード/加速する温暖化/気候に影響を及ぼす海洋大循環 3 未来をどう見るか 温度上昇/天気予報と温暖化予測/将来をどう認識するか/モデルによるシミュレーション・本書のまとめ・後悔しない政策の必要性

第3章 地球環境の指標―生物多様性と生態系サービス 
1 人類に恵みをもたらす生物多様性 生物大量絶滅の危機/生物の多様性と進化/大量絶滅の原因/地球環境の健全性を示す生物多様性 2 無償の恩恵―生態系の機能とサービス 遺伝資源の価値/生態系サービス―環境の恵沢/バイオテクノロジーとバイオミミックリィ/人間社会を写す鏡―動物の社会 3 生物多様性を守るために 自然保護と生物多様性の保全/生物多様性条約  ・本章のまとめ・さらに重要性を増す生物多様性

第4章 進化論的環境観 
1 変化する世界をどう見るか 変化の法則/成長の限界―無人島のヤギ/盛者必衰の理―ライオンとシカ/蛹からチョウへの変身―パラダイムシフト 2 熱力学的に見た地球 秩序と無秩序―エントロピー/定常開放系と地球/自然界における物質循環とエントロピー/人間活動とエントロピー/環境問題とエントロピー/熱機関としての地球/地球温暖化は本当か―水と水蒸気の役割/森が海をつくる  ・本章のまとめ・人間という小さな存在の大きな影響

第5章 必要とされる文明の転換―低炭素、共生、循環型社会に向けて 
1 地球の歴史、人間の歴史 一瞬のひとこま/エコノミーとエコロジー/「閉じた経済」と「開かれた経済」/農耕文明/気候と産業革命/産業革命と近代工業文明/新しい文明―低炭素社会 2 持続可能性を目指して 持続可能性とはなにか/環境と経済の波動/進歩の原動力/循環型社会へ/社会経済のパラダイムシフト―所有価値から利用価値へ  ・本章のまとめ・脱化石燃料依存体質

第6章 コモンズとしての環境をどう管理するか 
1 環境は誰のものか コモンズの悲劇/コモンズの悲劇はなぜ発生するか/囚人のジレンマ/グローバルコモンズ/人間中心主義
かエコ中心主義か/ディープエコロジー/環境の所有者は誰か/空気も水もただではない―廃棄物の捨て場の管理 2 持続可能なローカルコモンズの管理 ローカルコモンズ/利用放棄によるコモンズの悲劇/ローカルコモンズ管理の道 3 負のローカルコモンズをどう管理するか 負のローカルコモンズ―迷惑施設/リスク―慣れによる恐怖心の減退/ゴミ焼却工場―ダイオキシン問題  ・本章のまとめ・適切なコモンズの管理へ向けて

第7章 環境の経済学 
1 環境経済学の誕生 地球環境と経済学/環境経済学の系譜/市場の失敗―環境税/外部経済と外部不経済/私的費用と社会的費用/上流と下流、汚染者負担と受益者負担―コースの定理/環境の価値をどう考えるか/将来世代にとっての価値をどう考えるか 2 環境政策へどうつなげるか 環境情報と消費者の行動/幸福をどう測るか―グリーンGDP/政策の選択はどうあるべきか/公平性―地域間、世代間の平等とは/温室効果ガス (GHG) 排出権取引/環境マクロ経済学―環境政策の経済的意味を考える  ・本章のまとめ・環境と経済に好ましい選択とは

第8章 資源・エネルギー利用と環境負荷 
1 経済活動と資源・エネルギー 資源生産性、エネルギー生産性/隠れた資源フロー/内包エネルギー/人間生活にともなう資源・エネルギーフロー/都市活動と資源循環/エコロジカル・フットプリント/交通と環境負荷―コンパクトシティ/環境資源勘定―マテリアルフロー分析 2 環境へのやさしさを評価する―ライフサイクルアセスメント 環境にやさしい商品とは/製品のLCA/LCAの対象/ライフサイクルインベントリ分析/ライフサイクル影響評価/LCAは万能ではない 3 自然エネルギー利用と省エネ 注目される米国の動きと日本/太陽光発電が問いかけるもの―大規模集中と小規模分散/エネルギーの質―熱力学の第一法則と第二法則/細切れにされたエネルギー/エクセルギー/質の悪いエネルギーを有効に使う―ヒートポンプ/カルノー効率/バイオマスエネルギー 4 環境に好ましい選択とは 比較評価の条件/マクロの目標管理とミクロの選択行動/技術システムの選択と政府の役割/
ゴミは燃やすべきかリサイクルすべきか  ・本章のまとめ・適切に判断するために必要な正しい環境情報

終章 アジアの視点から 
アジアの中の日本/日本の経験/アジアの問題への対処/グローバル化の中のアジア/問題の共有と協力

参考文献

あとがき

出版社:
化学同人
判型:
B6
ページ数:
248ページ
本体価格:
1800円
ISBN:
9784759813234
発売日:
2009年 03月 01日
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